株の初心者におすすめ!10万円以下で楽しめる株主優待制度を教えます|たあんと
2020/08/13更新 最近では株主優待をきっかけに投資をはじめる人も増えてきました。そこで今回は、「株主優待でもらえるものとは?」「投資額10万円以下の魅力的な優待内容」「もらう時の注意点」「オトクなもらい方」について、やさしく解説します。
企業が株主優待で提供するものには、ざっくり分けると2つのタイプがあります。
1自社サービス(製品)に関連するもの主に、自社で使える商券や割引券、自社製品の詰め合わせ、オリジナルグッズなど。小売業やサービス業などの一般消費者向けビジネスを営む企業は、このタイプの優待を配布することが多い。2自社サービス(製品)に関連しないもの主に、クオカード、ギフトカード、お米券などの金券類。ビジネスが一般消費者向けでない企業は、自社サービス(製品)を優待にすることが難しいため、このタイプの優待を配布することが多い。 オトク度だけでいえば、断然①がおすすめです。なぜなら、自社サービスや商品に関するものは、優待利回り(還元率)が高い傾向があるからです。
たとえば、家電量販店大手のヤマダ電機の株を100株購入すると5万3300円かかりますが、1年に500円割引券が6枚(3000円分)もらえます。優待利回りは5.63%です(2020年8月12日時点)。
一方で、①は使えない(使わない)人にとっては、もらっても無用なもの。近所にヤマダ電機がない人にとって、そこでしか使えない割引券はあまり嬉しくありませんよね。その点では、多少優待利回りが低くても、使い勝手が良い②を好む人もいるでしょう。
これらを踏まえて、10万円以下の投資額で買える銘柄の中から、①②それぞれの魅力的な株主優待をいくつかご紹介しましょう(データはすべて2020年8月12日時点のものです)。
購入金額10万円以下でもらえる魅力的な株主優待①~自社サービス(製品)に関連する株主優待~
ゴルフダイジェスト・オンライン(3319)必要額4万9000円(100株)総合ゴルフサイトの最大手企業。6月と12月にそれぞれ、「GDOゴルフショップ」で商品購入に使える1000円相当のクーポン1枚と、提携ゴルフ場の一部で使える1000円相当の「GDOゴルフ場予約」クーポン1枚がもらえる。ゴルフ好きは利用したい。優待利回り8.16%。
田谷(4679)必要額5万3300円(100株)直営美容室「TAYA」を全国にチェーン展開。100株保有すると3月と9月にそれぞれ、税込価格2200円相当の優待券を1枚ずつもらえる。優待券はカット・パーマ・カラー・トリートメント等の美容施術のほか、ヘアケア商品の購入にも使える。優待利回り8.26%。
ヤマダ電機(9831)必要額5万3300円(100株)家電量販店の大手。店舗で使える500円割引券が3月に2枚、9月に4枚もらえる。1回のお買上げ金額が税込み1000円以上につき1000円ごとに1枚利用可能などの条件はあるものの、日用品の取り扱いもあるので意外と使い勝手がいい。優待利回り5.63%。
きちり(3082)必要額5万5200円(100株)高級居酒屋『KICHRI』や、ハンバーグ専門店「いしがまやハンバーグ」などを展開する外食チェーン。100株保有すると12月に自社店舗で使える3000円相当の優待券がもらえる。優待券でちょっとリッチな食事を楽しみたい人におすすめ。優待利回り5.43%。
購入金額10万円以下でもらえる魅力的な株主優待②~自社サービス(製品)に関連しない株主優待~
小林洋行(8742) 必要額2万5500円(100株)フジトミなどを子会社にもつ商品先物会社。100株保有で3月におこめ券2kg分がもらえる。おこめ券は、スーパーやドラッグストア等でお米以外の支払いにも使える。2kg分だと880円相当なので、優待利回りは3.45%になる。
サンメッセ(7883)必要額3万8500円(100株)中京地区に基盤を持つ総合印刷の中堅企業。100株保有で3月にクオカード1000円分がもらえる。優待利回り2.60%。
クワザワ(8104)必要額5万2900円(100株)北海道に基盤を持つ建設資材商社で、セメントや生コンクリートに強みを持つ。100株保有で3月にクオカード2000円分がもらえる。優待利回りは3.78%。
原田工業(6904) 必要額8万8700円(100株)自動車用アンテナで国内シェア1位。100株保有で3月にクオカード3000円分がもらえる。優待利回り3.38%。なお、1年以上継続保有の場合クオカードは1000円増になり、その場合の優待利回りは4.51%になる。
株主優待をもらう注意点とオトクなもらい方
ここまで、投資額10万円以下でもらえる魅力的な株主優待を紹介しました。10万円以下とはいえ、「良いものがもらえるな!」と感じていただけたのではないでしょうか。
最後に、株主優待をもらう際の注意点と、ちょっと得するもらい方をお伝えします。
まず注意点ですが、株主優待をもらうには、企業が定めた日(権利付き最終日)に株を持っている必要があります。極端な話、権利付き最終日に買って翌日に売却すれば、たった一日保有するだけでもらうことができますが、人気の優待だと権利付き最終日に向けて株価が上昇し、優待利回りが悪くなることも……。また、まれに「半年以上」や「1年以上」の継続保有を条件とする優待もありますので、駆け込みではなく、余裕をもった購入をおすすめします。
3月末に権利が確定する優待の場合
3月28日 | 3営業日前 | – |
---|---|---|
3月29日 | 2営業日前 | 権利付き最終日この日に株を持っていること(この日に買ってもOK) |
3月30日 | 1営業日前 | 権利落ち日この日に売っても優待品はもらえる |
3月31日 | – | 権利確定日(決算日) |
また、優待の内容は、変わる可能性もあります。株主へのサービス向上のために今までよりも充実させる場合もありますが、業績悪化を理由に内容を縮小したり、廃止したりすることも……。優待銘柄を購入する前に、企業のホームページなどで内容に変更がないか確認しましょう。その際、企業の業績もしっかりチェックしてくださいね。
次にオトクなもらい方ですが、たとえば、先ほど紹介した原田工業では100株以上保有を条件に3000円分のクオカードがもらえます。つまり、100株保有した場合でも、200株保有した場合でも、もらえるのは3000円分です。
そこで考えたいのが、家族がそれぞれ100株ずつ買う方法。夫が100株、妻が100株保有すると、家族全体としての投資額は同じでも、もらえるクオカードは6000円分になります。夫が1人で200株買うより、家族で名義を分けたほうが断然オトクというわけです。知ると知らないとでは大きな差がついてしまうので、こちらもぜひ覚えておいてください。
株主優待の魅力は、実際に優待品を受け取ってはじめて実感できるもの。思った以上に「嬉しい!」と感じるはずです。あなたも株主優待投資をスタートさせて、優待品をもらう喜びを味わってくださいね。
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ファイナンシャルプランナー(AFP)、2級ファイナンシャル・プランニング技能士
大手旅行代理店勤務後、ソニー創業者の井深大氏が設立した財団法人幼児開発協会での研究企画などの業務に従事。その後、教育専門誌編集記者を経てフリーに。現在、ビジネス誌、マネー誌などで経済、マネー、人材の評価・育成に関する記事を中心に執筆。得意分野は新興国の経済および金融。
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