3%キャッシュバック! イオンの株主優待「オーナーズカード」の魅力を解説 - 価格.comマガジン

3%キャッシュバック! イオンの株主優待「オーナーズカード」の魅力を解説 - 価格.comマガジン

イオンの株主優待「オーナーズカード」は、買い物金額の3%をキャッシュバック! このほかのイオングループ各社の優待とあわせて、その魅力を紹介します。

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  • Writer / Editor満園徹(編集部)

2024年1月13日 2月はイオンの月――。 株主優待ファンの間で、そう呼ばれることもある季節が近づいてきました。イオングループ各社の優待銘柄が多く揃っていることに由来していますが、複数ある2月の”イオン優待”のなかでも、高い人気を誇る銘柄が純粋持ち株会社の「イオン(証券コード:8267)」です。

イオンの優待は、2月末と8月末の年2回、100株保有していると「オーナーズカード」が贈呈されるというもので、このカードを使って、イオンなどで買い物をすると3〜7%のキャッシュバックを受けられる点が人気の大きな理由となっています。

本記事では、まずはイオンの株主優待について詳しく解説。そして、イオンで使える割引券やギフトカードが贈られる、そのほかのイオングループ各社の優待についても紹介していきます(イオン、マックスバリュなどでの特典がある優待のみ取り上げます)。

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詳しくはこちら目次- イオン(8267)の優待品「オーナーズカード」とは?

  • ――〈魅力1〉イオンなどでの買い物で3〜7%をキャッシュバック
  • ――〈魅力2〉イオンシネマでは1,000円で鑑賞、ポップコーン無料引換券も
  • ――〈魅力3〉イオンラウンジも利用できる
  • イオンやマックスバリュなどで、割引きとなる優待券が贈呈される4銘柄
  • ――イオン北海道(7512):100株保有で優待券25枚
  • ――イオン九州(2653):100株保有で優待券50枚
  • ――マックスバリュ東海(8198):100株保有で優待券50枚
  • ――フジ(8278):100株保有で優待券60枚
  • プリペイドカード「イオンギフトカード」が贈られる2銘柄
  • ――イオンモール(8905):3,000円相当のイオンギフトカード
  • ――イオンディライト(9787):2,000円相当のイオンギフトカード
  • イオンで使える7社の優待を比較してみると?

純粋持ち株会社のイオンをはじめ、2月はイオングループ各社の株主優待が多くあります純粋持ち株会社のイオンをはじめ、2月はイオングループ各社の株主優待が多くあります

イオン(8267)の優待品「オーナーズカード」とは?

イオングループは国内外の約300社の企業で構成される、売上高9兆円を誇る日本最大の大手流通企業グループ。 純粋持ち株会社「イオン」をトップにして、その傘下に「イオン北海道」や「イオン九州」「イオンモール」などの企業を抱えています。

そんなイオンの株主優待の始まりは、前身のジャスコ時代の1985年から。今では日本に1,400超ある優待銘柄のなかでも屈指の人気を誇っており、2023年2月時点のイオンの個人の単元株主数は86万人にのぼります。

イオンユーザーにはメリットの大きい「オーナーズカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオンユーザーにはメリットの大きい「オーナーズカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)

〈魅力1〉イオンなどでの買い物で3〜7%をキャッシュバック

前述のとおり、2月末と8月末の年2回、イオン株を100株以上保有していると贈呈される「オーナーズカード」の最大の魅力はキャッシュバック。イオンなどでの買い物の際にレジでこのオーナーズカードを提示すると、後日買い物金額の3〜7%がキャッシュバックされます(3月〜8月利用分は10月に、9月〜2月利用分は4月にまとめて対象店舗で返金)。

2023年10月からイオンのトータルアプリ「iAEON(アイイオン)」にオーナーズカードの機能が搭載。キャッシュバックを現金ではなく、WAON POINTでも受け取れるようになりました。

キャッシュバックのレートは保有株数に応じて決まっており、100株以上500株未満:3%500株以上1,000株未満:4%1,000株以上3,000株未満:5%3,000株以上:7% となっています。

なお、返金対象となる買い物金額には上限が定められており、半年で100万円(1か月平均で約166,000円)となっています。つまり、還元率3%の100株保有者なら半年で最大3万円(年間最大6万円)、7%の3,000株保有者なら半年で最大7万円(年間最大14万円)のキャッシュバックを受けられることになります。

最少投資金額で済む100株保有のケースが、最も優待利回りが高い

イオンの株価は2024年1月12日時点で3,332円なので、最低投資金額は333,200円。仮に月に3万円、年間36万円イオンで買い物をすると10,800円のキャッシュバックを受けられ、この場合、優待利回りは3.24%、予想配当利回り(1.08%)を合わせた総合利回りは4.32%になります。

なお、下記の表で保有株数とキャッシュバック率、そして毎月の買い物金額ごとの優待利回りをまとめました。

返金対象となる買い物金額には上限(半年で100万円)があるうえ、保有株数に応じてレートは段階的に上がっていくものの、必要投資金額ほどの差は付いていません(500株の場合、100株のときより必要投資金額は5倍になりますがキャッシュバック率は1.3倍)。そのため、どの利用金額帯であっても優待利回りが高いのは、最少投資金額で済む「100株保有・3%キャッシュバック」のケースとなります。

必要投資金額、キャッシュバック率は2024年1月12日時点の終値を基に計算必要投資金額、キャッシュバック率は2024年1月12日時点の終値を基に計算

家族用のオーナーズカードも送られてくる

対象株主には権利確定の約1か月後にオーナーズカードが送付されますが、本人用に加え、家族用としてもう1枚送られてきます。夫婦、親子などで別々にお財布に入れておけるので、「手元になく、キャッシュバックを受け損なった」ということも避けられそうです。なお、キャッシュバックは本人、家族カードの合算金額を基に計算して行われます。

キャッシュバックは毎月20日と30日に5%オフとなる「お客様感謝デー」との併用可、実質約8%おトクに

イオンでは、毎月20日と30日に5%オフで買い物できる「お客様感謝デー」が開催されています。イオンカードやWAONで支払った場合のほか、オーナーズカード提示でも5%オフの特典が利用可能です。さらにうれしいのは、前述のキャッシュバックと、「お客様感謝デー」の特典は併用できる点。

たとえば、20日にイオンで10,000円の買い物をすると、・オーナーズカード提示で5%オフ(500円分)となり、支払金額は9,500円・9,500円に対する3%分の285円が後日キャッシュバック となり、約8%分(785円)おトクになる計算となります。

また、オーナーズカードは、後述するイオン北海道やイオン九州などの株主優待券(1,000円利用ごとに100円オフ)と併用することも可能です。

イオンのほか、まいばすけっとやマックスバリュなどもキャッシュバックの対象

オーナーズカードは、キャッシュバックの対象店舗が幅広いのもメリット。全国のイオンはもちろん、グループ店舗のマックスバリュに加え、小型の食品スーパー「まいばすけっと」や「ピーコックストア」なども対象。イオンのネットスーパーでの買い物でも、キャッシュバックが受けられます。

いっぽう、イオングループに属してはいるものの、独自の優待を実施しているミニストップやウエルシア薬局などはキャッシュバックの対象外となります。 参考HP:「キャッシュバック対象店舗」

「まいばすけっと」や「ピーコックストア」などもキャッシュバックの対象に「まいばすけっと」や「ピーコックストア」などもキャッシュバックの対象に

支払い方法は要注意。対象となるのは現金やイオンカード、WAONなどに限定

ただ、オーナーズカード利用時の支払い方法には注意が必要です。キャッシュバックの対象となるのは、現金やイオンカード、WAON、イオンペイ(WAON POINT利用分は対象外)、イオン商品券、イオンギフトカードで支払ったときのみ。交通系ICカードやイオンカード以外のクレジットカードなどでの支払いは対象外となる点は要注意です。また、WAONへのチャージやイオンギフトカードの購入でもキャッシュバックは受けられません。

オーナーズカードは、買い物金額の3〜7%をキャッシュバックオーナーズカードは、買い物金額の3〜7%をキャッシュバック

〈魅力2〉イオンシネマでは1,000円で鑑賞、ポップコーン無料引換券も

オーナーズカードは、イオンシネマでの特典もあります。劇場窓口でカードを提示すると、1,800円の「大人料金」が1,000円に、1,000円の「高校生以下」が800円に割引きされます。さらに、鑑賞時に劇場売店でオーナーズカードを提示すると、ポップコーンまたはドリンク引換券を無料でもらうことができます。

〈魅力3〉イオンラウンジも利用できる

オーナーズカードを持っていれば、イオンラウンジの利用も可能。イオンラウンジはイオンモールなど全国約190の店舗に設置されています。無料のドリンクサービスを受けられ、買い物の合間にひと息つくスペースとして活用できそうです。

ただし、「ラウンジ利用は月5回以内」「1回につき最大30分まで」「スマホまたは店頭のタブレットによる事前予約が必要」「同伴者はひとりまで」などの利用条件があるので、確認しておきましょう。 参考HP:「イオンラウンジ店舗一覧」

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イオンやマックスバリュなどで、割引きとなる優待券が贈呈される4銘柄

ここまでは純粋持ち株会社「イオン」の優待について説明してきましたが、イオンでの優待を実施しているそのほかのグループ6社の優待についても紹介します。いずれも権利確定日は2月末です。

このうち、まず取り上げるのは買い物の際に割引きが受けられる優待券を贈呈する4銘柄。優待券は1,000円の利用ごとに100円オフとなり、たとえば、3,500円の買い物をしたときには、最大3枚(300円オフ)利用可能となります。

また、これらの優待券はいずれも、全国のイオンやマックスバリュなどで利用可能。たとえば、イオン北海道の優待で贈られる優待券は、道外のイオン、マックスバリュでも使えますし、イオン九州の優待券も九州以外の店舗でも利用可能。マックスバリュ東海やフジで贈られる優待券も、全国のイオン、マックスバリュで使うことができます。

2月はイオングループ各社の株主優待が豊富2月はイオングループ各社の株主優待が豊富

イオン北海道(7512):100株保有で優待券25枚

「イオン北海道」は北海道内で「イオン」「マックスバリュ」などの小売り事業を担っています。こちらの優待は、2月末に100株保有していると、優待券25枚(2,500円相当)が贈られるという内容です。全国各地のイオンラウンジの利用も可能ですが、500株以上の株主が対象となる点は要注意です。

イオン北海道の株価は2024年1月12日時点で928円なので、最低投資金額は92,800円。優待利回り(2.69%)と予想配当利回り(1.29%)を合わせた総合利回りは3.98%になります。

イオン九州(2653):100株保有で優待券50枚

「イオン九州」は、九州で総合・食品スーパーなどを展開。こちらの優待は2月末に100株保有していると、優待券50枚(5,000円相当)が贈られます。また、優待券以外にも、額面は減ってしまうものの、ECサイト「イオン九州オンライン」で使える3,000ポイント、「イオンギフトカード」3,000円相当のいずれかを選ぶこともできます。全国各地のイオンラウンジも、100株以上の株主は使うことができます。

イオン九州の株価は2024年1月12日時点で2,486円なので、最低投資金額は248,600円。優待券50枚(5,000円相当)で計算すると、優待利回りは2.01%。予想配当利回り(1.12%)を合わせた総合利回りは3.13%になります。

マックスバリュ東海(8198):100株保有で優待券50枚

静岡県と、その近隣県で「マックスバリュ」を展開する「マックスバリュ東海」。こちらも2月末に100株保有していると、優待券50枚(5,000円相当)が贈られます。こちらの銘柄では、優待券の代わりに、銘茶や清酒のセット、静岡県産のお米などを選ぶこともできます。また、イオンラウンジは100株以上の株主が対象となります。

マックスバリュ東海の株価は2024年1月12日時点で3,085円なので、最低投資金額は308,500円。優待券50枚(5,000円相当)で計算すると、優待利回りは1.62%。予想配当利回り(1.94%)を合わせた総合利回りは3.56%になります。

フジ(8278):100株保有で優待券60枚

「フジ」は、四国・中国地方を中心に食品スーパーのフジを展開している企業ですが、2022年にマックスバリュ西日本と経営統合し、イオンの連結子会社となりました。こちらは2月末に100株保有していると、全国のイオン、マックスバリュなどで利用可能な優待券60枚(6,000円相当)が贈られます。優待券の代わりに、いずれも3,000円相当の、ECサイト「フジネットショップ」で使えるポイントや、地域特産品を選ぶことも可能です。

フジの株価は2024年1月12日時点で1,909円なので、最低投資金額は190,900円。優待券60枚(6,000円相当)で計算すると、優待利回りは3.14%。予想配当利回り(1.57%)を合わせた総合利回りは4.71%になります。

イオン各社での買い物の際に、1,000円の利用ごとに100円オフとなる「優待券」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオン各社での買い物の際に、1,000円の利用ごとに100円オフとなる「優待券」(優待投資家 かすみちゃん提供)

プリペイドカード「イオンギフトカード」が贈られる2銘柄

続いてご紹介するのは、イオン、マックスバリュなどのグループ店舗で利用可能なプリペイドカード「イオンギフトカード」が贈られる2銘柄です

イオンモール(8905):3,000円相当のイオンギフトカード

「イオンモール」は国内外でショッピングモールの開発、運営を行っています。こちらの優待では、2月末に100株保有していると、3,000円相当のイオンギフトカードが贈られます。ギフトカードではなく、グルメや雑貨などから選べる3,000円相当のカタログギフトを選択することも可能です。イオンラウンジの利用は200株以上の株主が対象となります。

イオンモールの株価は2024年1月12日時点で1,801.5円なので、最低投資金額180,150円。優待利回り(1.67%)と予想配当利回り(2.78%)を合わせた総合利回りは4.45%になります。

イオンディライト(9787):2,000円相当のイオンギフトカード

もうひとつ、イオンギフトカードを優待品にしているのが「イオンディライト」。イオングループ施設の管理・運営を担っている企業です。こちらは2月末に100株を1年以上継続保有していると、2,000円相当のイオンギフトカードが贈られます。イオンラウンジの利用は100株以上の株主が対象となります。

イオンディライトの株価は2024年1月12日時点で3,595円なので、最低投資金額は359,500円。優待利回り(0.56%)と予想配当利回り(2.39%)を合わせた総合利回りは2.95%になります。

イオンなどで1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオンなどで1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)

イオンで使える7社の優待を比較してみると?

持ち株会社のイオンを含めた7社の優待内容や優待・総合利回りをまとめたのが下記の表になります。いずれの優待も全国のイオン、マックスバリュなどで使えるので、保有を検討する際の参考にしてみてください。

キャッシュバック型のイオン優待は、利用金額が大きいほど優待利回りもアップ

利用金額の3〜7%がキャッシュバックされる「イオン」の優待は、利用金額が多くなるほどに優待利回りもアップします。「100株保有・3%キャッシュバック」の場合、毎月3万円の利用で優待利回りは3.24%、5万円の利用で5.4%、あまり現実的な金額ではありませんが、上限(6か月間で100万円)となる月約166,000円利用したときには、18%までアップします(2023年1月12日の終値を基に計算)。

逆を言えば利用金額が毎月1万円だと1.08%まで下がり、割引きとなる「優待券」タイプの優待のほうが優待利回りは高くなります。また、現状の株価だと最低購入資金が30万円超と、ある程度まとまったお金が必要な点も留意したいところです。

割引きとなる優待券ではフジの優待利回りが高い。イオン北海道は10万円程度の資金で購入可能

割引きとなる優待券が贈られる4社で言えば、全国的な知名度はさほどではないものの、60枚(6,000円相当)が贈られる「フジ」の優待回りが約3%と最も高く、コスパ的にはよさそうです。「イオン北海道」も2%台後半とそれに次ぐ優待利回りになり、最低投資金額が10万円以下なので、優待初心者も手にしやすい銘柄と言えそうです。

ただ、優待券は1,000円の利用ごとにレジで1枚ずつ出す必要があり、面倒に感じる方もいるかもしれません。また、優待券の有効期限も決められており、失効しないよう積極的に使っていく必要もありそうです。

利便性の高いギフトカードでは、イオンモールの総合利回りは高水準

チャージ金額の範囲内で、1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」は、キャッシュバックのような返金作業や、優待券のようにつど出す必要もなく、最も使いやすい優待と言えそうですが、優待利回りで見ると「優待券」タイプよりのきなみ低い水準。ただ、イオンモールの場合、予想配当利回りが7社のなかで最も高いため、総合利回りは4%台半ばと高水準となっています。

まとめ

以上、持ち株会社「イオン」と、そのほかのイオングループ6社の優待について紹介してきました。

これらの優待は3つのタイプ(キャッシュバック、割引きとなる優待券、イオンギフトカード)に分けられますが、3%キャッシュバック(100株保有)のイオンの「オーナーズカード」が優待利回りをアップさせやすく、イオン関連の優待を探している場合の第一候補となりそうです。また、オーナーズカードは優待券と併用でき、イオンギフトカードで支払った場合も、キャッシュバックの対象になるので、資金的な余裕があるならば、複数のイオン銘柄の保有を検討してもよいかもしれません。

なお、株主優待や配当を受ける権利が確定するのは「権利確定日」と呼ばれており、今回ご紹介した7銘柄は2月29日(イオンはこれに加え8月31日も)。株主名簿に名前が記載されるには2営業日必要となるので、今回紹介した優待を受けたい場合は2月27日(火)までに当該の株式を購入する必要があります。

新NISAも2024年1月からいよいよスタートし、株式投資をしやすい環境が整ってきました。「株主優待に興味はあるけど、NISA口座をまだ持っていない」という方は、この機会に下記の価格.comのNISA口座人気ランキングも参考に、口座開設を検討してみてください。

イオングループは国内外の約300社の企業で構成される、売上高9兆円を誇る日本最大の大手流通企業グループ。 純粋持ち株会社「イオン」をトップにして、その傘下に「イオン北海道」や「イオン九州」「イオンモール」などの企業を抱えています。

そんなイオンの株主優待の始まりは、前身のジャスコ時代の1985年から。今では日本に1,400超ある優待銘柄のなかでも屈指の人気を誇っており、2023年2月時点のイオンの個人の単元株主数は86万人にのぼります。

イオンユーザーにはメリットの大きい「オーナーズカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオンユーザーにはメリットの大きい「オーナーズカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)

〈魅力1〉イオンなどでの買い物で3〜7%をキャッシュバック

前述のとおり、2月末と8月末の年2回、イオン株を100株以上保有していると贈呈される「オーナーズカード」の最大の魅力はキャッシュバック。イオンなどでの買い物の際にレジでこのオーナーズカードを提示すると、後日買い物金額の3〜7%がキャッシュバックされます(3月〜8月利用分は10月に、9月〜2月利用分は4月にまとめて対象店舗で返金)。

2023年10月からイオンのトータルアプリ「iAEON(アイイオン)」にオーナーズカードの機能が搭載。キャッシュバックを現金ではなく、WAON POINTでも受け取れるようになりました。

キャッシュバックのレートは保有株数に応じて決まっており、100株以上500株未満:3%500株以上1,000株未満:4%1,000株以上3,000株未満:5%3,000株以上:7% となっています。

なお、返金対象となる買い物金額には上限が定められており、半年で100万円(1か月平均で約166,000円)となっています。つまり、還元率3%の100株保有者なら半年で最大3万円(年間最大6万円)、7%の3,000株保有者なら半年で最大7万円(年間最大14万円)のキャッシュバックを受けられることになります。

最少投資金額で済む100株保有のケースが、最も優待利回りが高い

イオンの株価は2024年1月12日時点で3,332円なので、最低投資金額は333,200円。仮に月に3万円、年間36万円イオンで買い物をすると10,800円のキャッシュバックを受けられ、この場合、優待利回りは3.24%、予想配当利回り(1.08%)を合わせた総合利回りは4.32%になります。

なお、下記の表で保有株数とキャッシュバック率、そして毎月の買い物金額ごとの優待利回りをまとめました。

返金対象となる買い物金額には上限(半年で100万円)があるうえ、保有株数に応じてレートは段階的に上がっていくものの、必要投資金額ほどの差は付いていません(500株の場合、100株のときより必要投資金額は5倍になりますがキャッシュバック率は1.3倍)。そのため、どの利用金額帯であっても優待利回りが高いのは、最少投資金額で済む「100株保有・3%キャッシュバック」のケースとなります。

必要投資金額、キャッシュバック率は2024年1月12日時点の終値を基に計算必要投資金額、キャッシュバック率は2024年1月12日時点の終値を基に計算

家族用のオーナーズカードも送られてくる

対象株主には権利確定の約1か月後にオーナーズカードが送付されますが、本人用に加え、家族用としてもう1枚送られてきます。夫婦、親子などで別々にお財布に入れておけるので、「手元になく、キャッシュバックを受け損なった」ということも避けられそうです。なお、キャッシュバックは本人、家族カードの合算金額を基に計算して行われます。

キャッシュバックは毎月20日と30日に5%オフとなる「お客様感謝デー」との併用可、実質約8%おトクに

イオンでは、毎月20日と30日に5%オフで買い物できる「お客様感謝デー」が開催されています。イオンカードやWAONで支払った場合のほか、オーナーズカード提示でも5%オフの特典が利用可能です。さらにうれしいのは、前述のキャッシュバックと、「お客様感謝デー」の特典は併用できる点。

たとえば、20日にイオンで10,000円の買い物をすると、・オーナーズカード提示で5%オフ(500円分)となり、支払金額は9,500円・9,500円に対する3%分の285円が後日キャッシュバック となり、約8%分(785円)おトクになる計算となります。

また、オーナーズカードは、後述するイオン北海道やイオン九州などの株主優待券(1,000円利用ごとに100円オフ)と併用することも可能です。

イオンのほか、まいばすけっとやマックスバリュなどもキャッシュバックの対象

オーナーズカードは、キャッシュバックの対象店舗が幅広いのもメリット。全国のイオンはもちろん、グループ店舗のマックスバリュに加え、小型の食品スーパー「まいばすけっと」や「ピーコックストア」なども対象。イオンのネットスーパーでの買い物でも、キャッシュバックが受けられます。

いっぽう、イオングループに属してはいるものの、独自の優待を実施しているミニストップやウエルシア薬局などはキャッシュバックの対象外となります。 参考HP:「キャッシュバック対象店舗」

「まいばすけっと」や「ピーコックストア」などもキャッシュバックの対象に「まいばすけっと」や「ピーコックストア」などもキャッシュバックの対象に

支払い方法は要注意。対象となるのは現金やイオンカード、WAONなどに限定

ただ、オーナーズカード利用時の支払い方法には注意が必要です。キャッシュバックの対象となるのは、現金やイオンカード、WAON、イオンペイ(WAON POINT利用分は対象外)、イオン商品券、イオンギフトカードで支払ったときのみ。交通系ICカードやイオンカード以外のクレジットカードなどでの支払いは対象外となる点は要注意です。また、WAONへのチャージやイオンギフトカードの購入でもキャッシュバックは受けられません。

オーナーズカードは、買い物金額の3〜7%をキャッシュバックオーナーズカードは、買い物金額の3〜7%をキャッシュバック

〈魅力2〉イオンシネマでは1,000円で鑑賞、ポップコーン無料引換券も

オーナーズカードは、イオンシネマでの特典もあります。劇場窓口でカードを提示すると、1,800円の「大人料金」が1,000円に、1,000円の「高校生以下」が800円に割引きされます。さらに、鑑賞時に劇場売店でオーナーズカードを提示すると、ポップコーンまたはドリンク引換券を無料でもらうことができます。

〈魅力3〉イオンラウンジも利用できる

オーナーズカードを持っていれば、イオンラウンジの利用も可能。イオンラウンジはイオンモールなど全国約190の店舗に設置されています。無料のドリンクサービスを受けられ、買い物の合間にひと息つくスペースとして活用できそうです。

ただし、「ラウンジ利用は月5回以内」「1回につき最大30分まで」「スマホまたは店頭のタブレットによる事前予約が必要」「同伴者はひとりまで」などの利用条件があるので、確認しておきましょう。 参考HP:「イオンラウンジ店舗一覧」

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イオンやマックスバリュなどで、割引きとなる優待券が贈呈される4銘柄

ここまでは純粋持ち株会社「イオン」の優待について説明してきましたが、イオンでの優待を実施しているそのほかのグループ6社の優待についても紹介します。いずれも権利確定日は2月末です。

このうち、まず取り上げるのは買い物の際に割引きが受けられる優待券を贈呈する4銘柄。優待券は1,000円の利用ごとに100円オフとなり、たとえば、3,500円の買い物をしたときには、最大3枚(300円オフ)利用可能となります。

また、これらの優待券はいずれも、全国のイオンやマックスバリュなどで利用可能。たとえば、イオン北海道の優待で贈られる優待券は、道外のイオン、マックスバリュでも使えますし、イオン九州の優待券も九州以外の店舗でも利用可能。マックスバリュ東海やフジで贈られる優待券も、全国のイオン、マックスバリュで使うことができます。

2月はイオングループ各社の株主優待が豊富2月はイオングループ各社の株主優待が豊富

イオン北海道(7512):100株保有で優待券25枚

「イオン北海道」は北海道内で「イオン」「マックスバリュ」などの小売り事業を担っています。こちらの優待は、2月末に100株保有していると、優待券25枚(2,500円相当)が贈られるという内容です。全国各地のイオンラウンジの利用も可能ですが、500株以上の株主が対象となる点は要注意です。

イオン北海道の株価は2024年1月12日時点で928円なので、最低投資金額は92,800円。優待利回り(2.69%)と予想配当利回り(1.29%)を合わせた総合利回りは3.98%になります。

イオン九州(2653):100株保有で優待券50枚

「イオン九州」は、九州で総合・食品スーパーなどを展開。こちらの優待は2月末に100株保有していると、優待券50枚(5,000円相当)が贈られます。また、優待券以外にも、額面は減ってしまうものの、ECサイト「イオン九州オンライン」で使える3,000ポイント、「イオンギフトカード」3,000円相当のいずれかを選ぶこともできます。全国各地のイオンラウンジも、100株以上の株主は使うことができます。

イオン九州の株価は2024年1月12日時点で2,486円なので、最低投資金額は248,600円。優待券50枚(5,000円相当)で計算すると、優待利回りは2.01%。予想配当利回り(1.12%)を合わせた総合利回りは3.13%になります。

マックスバリュ東海(8198):100株保有で優待券50枚

静岡県と、その近隣県で「マックスバリュ」を展開する「マックスバリュ東海」。こちらも2月末に100株保有していると、優待券50枚(5,000円相当)が贈られます。こちらの銘柄では、優待券の代わりに、銘茶や清酒のセット、静岡県産のお米などを選ぶこともできます。また、イオンラウンジは100株以上の株主が対象となります。

マックスバリュ東海の株価は2024年1月12日時点で3,085円なので、最低投資金額は308,500円。優待券50枚(5,000円相当)で計算すると、優待利回りは1.62%。予想配当利回り(1.94%)を合わせた総合利回りは3.56%になります。

フジ(8278):100株保有で優待券60枚

「フジ」は、四国・中国地方を中心に食品スーパーのフジを展開している企業ですが、2022年にマックスバリュ西日本と経営統合し、イオンの連結子会社となりました。こちらは2月末に100株保有していると、全国のイオン、マックスバリュなどで利用可能な優待券60枚(6,000円相当)が贈られます。優待券の代わりに、いずれも3,000円相当の、ECサイト「フジネットショップ」で使えるポイントや、地域特産品を選ぶことも可能です。

フジの株価は2024年1月12日時点で1,909円なので、最低投資金額は190,900円。優待券60枚(6,000円相当)で計算すると、優待利回りは3.14%。予想配当利回り(1.57%)を合わせた総合利回りは4.71%になります。

イオン各社での買い物の際に、1,000円の利用ごとに100円オフとなる「優待券」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオン各社での買い物の際に、1,000円の利用ごとに100円オフとなる「優待券」(優待投資家 かすみちゃん提供)

プリペイドカード「イオンギフトカード」が贈られる2銘柄

続いてご紹介するのは、イオン、マックスバリュなどのグループ店舗で利用可能なプリペイドカード「イオンギフトカード」が贈られる2銘柄です

イオンモール(8905):3,000円相当のイオンギフトカード

「イオンモール」は国内外でショッピングモールの開発、運営を行っています。こちらの優待では、2月末に100株保有していると、3,000円相当のイオンギフトカードが贈られます。ギフトカードではなく、グルメや雑貨などから選べる3,000円相当のカタログギフトを選択することも可能です。イオンラウンジの利用は200株以上の株主が対象となります。

イオンモールの株価は2024年1月12日時点で1,801.5円なので、最低投資金額180,150円。優待利回り(1.67%)と予想配当利回り(2.78%)を合わせた総合利回りは4.45%になります。

イオンディライト(9787):2,000円相当のイオンギフトカード

もうひとつ、イオンギフトカードを優待品にしているのが「イオンディライト」。イオングループ施設の管理・運営を担っている企業です。こちらは2月末に100株を1年以上継続保有していると、2,000円相当のイオンギフトカードが贈られます。イオンラウンジの利用は100株以上の株主が対象となります。

イオンディライトの株価は2024年1月12日時点で3,595円なので、最低投資金額は359,500円。優待利回り(0.56%)と予想配当利回り(2.39%)を合わせた総合利回りは2.95%になります。

イオンなどで1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)イオンなどで1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」(優待投資家 かすみちゃん提供)

イオンで使える7社の優待を比較してみると?

持ち株会社のイオンを含めた7社の優待内容や優待・総合利回りをまとめたのが下記の表になります。いずれの優待も全国のイオン、マックスバリュなどで使えるので、保有を検討する際の参考にしてみてください。

キャッシュバック型のイオン優待は、利用金額が大きいほど優待利回りもアップ

利用金額の3〜7%がキャッシュバックされる「イオン」の優待は、利用金額が多くなるほどに優待利回りもアップします。「100株保有・3%キャッシュバック」の場合、毎月3万円の利用で優待利回りは3.24%、5万円の利用で5.4%、あまり現実的な金額ではありませんが、上限(6か月間で100万円)となる月約166,000円利用したときには、18%までアップします(2023年1月12日の終値を基に計算)。

逆を言えば利用金額が毎月1万円だと1.08%まで下がり、割引きとなる「優待券」タイプの優待のほうが優待利回りは高くなります。また、現状の株価だと最低購入資金が30万円超と、ある程度まとまったお金が必要な点も留意したいところです。

割引きとなる優待券ではフジの優待利回りが高い。イオン北海道は10万円程度の資金で購入可能

割引きとなる優待券が贈られる4社で言えば、全国的な知名度はさほどではないものの、60枚(6,000円相当)が贈られる「フジ」の優待回りが約3%と最も高く、コスパ的にはよさそうです。「イオン北海道」も2%台後半とそれに次ぐ優待利回りになり、最低投資金額が10万円以下なので、優待初心者も手にしやすい銘柄と言えそうです。

ただ、優待券は1,000円の利用ごとにレジで1枚ずつ出す必要があり、面倒に感じる方もいるかもしれません。また、優待券の有効期限も決められており、失効しないよう積極的に使っていく必要もありそうです。

利便性の高いギフトカードでは、イオンモールの総合利回りは高水準

チャージ金額の範囲内で、1円単位で利用可能な「イオンギフトカード」は、キャッシュバックのような返金作業や、優待券のようにつど出す必要もなく、最も使いやすい優待と言えそうですが、優待利回りで見ると「優待券」タイプよりのきなみ低い水準。ただ、イオンモールの場合、予想配当利回りが7社のなかで最も高いため、総合利回りは4%台半ばと高水準となっています。

まとめ

以上、持ち株会社「イオン」と、そのほかのイオングループ6社の優待について紹介してきました。

これらの優待は3つのタイプ(キャッシュバック、割引きとなる優待券、イオンギフトカード)に分けられますが、3%キャッシュバック(100株保有)のイオンの「オーナーズカード」が優待利回りをアップさせやすく、イオン関連の優待を探している場合の第一候補となりそうです。また、オーナーズカードは優待券と併用でき、イオンギフトカードで支払った場合も、キャッシュバックの対象になるので、資金的な余裕があるならば、複数のイオン銘柄の保有を検討してもよいかもしれません。

なお、株主優待や配当を受ける権利が確定するのは「権利確定日」と呼ばれており、今回ご紹介した7銘柄は2月29日(イオンはこれに加え8月31日も)。株主名簿に名前が記載されるには2営業日必要となるので、今回紹介した優待を受けたい場合は2月27日(火)までに当該の株式を購入する必要があります。

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満園徹(編集部)Writer / Editor満園徹(編集部)新聞社で企業や地方財政などを中心に幅広く取材。2018年から価格.comマネー編集部に在籍し、「価格.com マガジン」でクレジットカードや投資、節約などのマネー記事の編集、執筆を担当。記事一覧へ 記事で紹介した製品・サービスなどの詳細をチェック- イオンフィナンシャルサービス

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