仕手株の代表的な銘柄を紹介!見分け方と稼ぎ方をレクチャー

仕手株の代表的な銘柄を紹介!見分け方と稼ぎ方をレクチャー

仕手株の代表的な銘柄を紹介!見分け方と稼ぎ方をレクチャー

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仕手株になる銘柄の特徴を踏まえて見つけ方を説明。過去の事例を一覧で紹介する共に、仕手株で儲ける方法について解説しました。

仕手株とは、株価が意図的に操作されている可能性が高い銘柄のことです。

株価が操作されているため、仕手株は値動きが激しいのが特徴。

何十倍にも株価が跳ね上がることもあれば、株価が急激に下がるケースもよくあります。

一見すると近寄りがたい仕手株ですが、個人投資家の中には「仕手株を上手く利用すれば、ハイリターンが得られる」という論を唱える人も。

そこで本記事では、「仕手株の常連銘柄」と呼ばれる株を紹介すると共に、仕手株になりやすい銘柄の特徴をレクチャー。

仕手株投資で稼ぐために必要な知識を解説します。

仕手株の常連銘柄

「仕手株の常連銘柄」として投資家から指摘されることが多いのは、以下のような銘柄です。

コード 銘柄名 株価 時価総額 出来高 発行済み株式数
2134 燦キャピタル 23 26.0億円 532,600 113,194,584
2338 ウェッジホールディングス 124 44.4億円 1,020,000 35,794,478
3807 フィスコ 157 71.9億円 62,500 45,776,722
9424 日本通信 227 375億円 2,752,600 165,009,239
2323 fonfun 352 11.9億円 9100 3,380,920
3825 リミックスポイント 476 584億円 2,835,800 122,668,300
4165 プレイド 647 250億円 11,080,100 38,595,900
2667 イメージワン 762 82.3億円 373,500 10,803,600
7078 INCLUSIVE 1340 130億円 2,952,200 9,681,789
6898 トミタ電機 7760 63.4億円 230,400 816,979

いずれの銘柄も仕手株になりやすい特徴を持っています。

  • 株価が安い
  • 出来高が少ない
  • 株価が高騰、下落を繰り返す
  • etc…

仕手株のターゲットにされやすい銘柄は、株価が安かったり、出来高が少ない銘柄です。

「恐るべき注目銘柄株速報」というサイトでは、2chの株式情報板で騒がれている“仕手株の疑いがある銘柄”が挙げられています。

仕手株の疑惑がある銘柄トップ10は、上記サイトで投資家の間で話題になっている銘柄がほとんどです。

一般的には、「仕手株には手を出すな」と言われます。

たしかに仕手株は、株価の変動が激しく売買ポイントが分かりにくく、初心者には難しい投資と言えるでしょう。

仕手株投資は「稼げる」

しかし実際には、仕手株であることを分かっていながら投資をする人も多いです。

なぜなら仕手株投資はハイリターンを望めるから。

例えば2022年に仕手株と噂された「マツモト(7901)」は、3か月間で株価12倍を達成。

マツモト(7901)の株価チャート仕手株は短期間で高騰するため、個人投資家から物色されることが多いです。

上手く短期トレードできたら、資産形成のスピードはグッと速まります。

仕手株に投資する際の注意点としては、高値で手を出さないこと。

チャートを見て貰えれば分かる通り、マツモトは急騰・急落を繰り返しています。

仕手株に手を出すなら、株価が動意付く前の安値圏で購入するのがよいでしょう。

今後値上がる銘柄の探し方としては、過去に仕手株らしき動きを見せた銘柄を監視しておくのがおすすめ。

いちど仕手株化した銘柄は、以後も同様な値動きをすることがあるからです。

仕手株へ投資は銘柄を選ぶのと同じくらい、売買タイミングも重要になります。

仕手株は、一度注目が集まると値動きが大きく・速くなりがち。

時にはテクニカル指標全般が機能しなくなるほど、個別市場の過熱感が増してしまうことも。

小手先だけのテクニックでは対応しきれない局面も自然と多くなるのではないでしょうか。

ですが最近では、銘柄選びから売買タイミングまで教えてくれる投資情報サービスが話題を集めています。

当サイトで特に評判になっているのが、実践的な投資ノウハウを教えているJ.P.モルガン出身の『凄腕投資アドバイザーの公式LINE』。

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仕手株の事例と一覧

ケーススタディとして、過去に仕手株疑惑があったほかの銘柄も見ていきます。

急騰劇が繰り広げられた裏で、どんな動きがあったのか確認してみましょう。

アンジェス(4563)

アンジェス(4563)は有名な投資インフルエンサー「ウルフ村田」によって「株価が吊り上げられてる?」という疑惑が出ている銘柄です。

2017年6月、ウルフ村田は何度か「アンジェスが上がる」とツイート。そのタイミングに合わせるように、アンジェスの株価が暴騰しはじめます。

2017年7月20日、ウルフ村田が「(アンジェスの)株価1000円いかなければ引退」と発言。

7月26日「超デカいIR出るに決まっている。金曜の大引けに保有」「1000円まで保証する」発言のあと、884円で株価はピークをつけます。

アンジェス週明け7月31日、アンジェスは開発プロジェクトの中止と特別損失計上に関するお知らせを発表。株価は32%減。

アンジェスの急騰・急落劇からは、特定の銘柄について何度も言及を繰り返す投資インフルエンサーの存在を確認できます。

なお2017年以後もアンジェスは急騰と暴落を繰り返しています。

ニチダイ(6467)

ニチダイ(6467)は株価の不正操作で逮捕者まで出た仕手株です。

2018年1月中旬まで600円台で推移していたニチダイ(6467)は「トンピン」と名乗る相場師、山田亨被告の「どれもこれも暴落のサインが出てるよ! 俺は買うけどね!!」というつぶやきから一気に株価を上げました。

ニチダイ(6467)のチャート2018年3月16日には、ニチダイの株価は3980円に上昇。

トンピンの提出したニチダイ(6467)の大量保有報告書からは、以下の流れで売買していたことが分かります。

・2017年2月 株価600円台で買付・2018年2月 6営業日で一気に50万円以上買付け・2018年3月 3045円で売却

この取引だけでも利益は10億円以上。

ニチダイの株価不正操作で逮捕されたトンピンは、投資家の間で非常に有名な人物でした。

トンピンが手掛ける株は「トンピン銘柄」と呼ばれ、個人投資家が後追いでその銘柄を買うだけで5%、10%と上がるほどだったといいます。

土屋ホールディングス(1840)

土屋ホールディングス(1840)は「株価200円未満の低位株」であるため、仕手株のターゲットにされやすい特徴を持つ銘柄です。

2022年8月上旬、仕手株らしい動きがありました。

土屋ホールディングス(1840)のチャート好材料となる発表が出ていない中、数ヶ月動きの乏しかったであった株価がじわじわと上がりはじめます。

株価上昇の後半には出来高も伴いだし、最後に一気に上昇→急落。

「仕手株の典型」と言えるチャートパターンを形成していました。

3つの仕手株の事例を確認したところ、いくつか共通点があります。

  • 特に材料がないのに株価が上がる
  • 出来高も株価上昇に合わせて増えていく
  • 投資インフルエンサーによる煽り
  • 株価が一気に騰がる
  • 株価が一気に落ちる

個人投資家としては、「株価が上がりきる前に仕手株を掴み、株価が下がりきる前に利確する戦略」が必要です。

投資インフルエンサーが絡む銘柄は仕手化しやすいため、「ウルフ村田」や「トンピン」あたりのSNSでの発言はチェックしておいた方が良いかもしれません。

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仕手株になる流れ

大幅な値動きをする仕手株ですが、そもそもどうやって仕手株化するのか?

仕手株は、一連の流れに沿ってできあがることが分かっています。

①株をこっそり買い集める(玉集め)②大量の買い注文を出して一気に株価を引き上げる(玉転がし)③高値で売り抜ける(ふるい落とし)

仕手株の動きを見せる銘柄例

株をこっそり買い集める(玉集め)

まずは仕手筋(仕手株をしかける集団投資家)が、仕手株の対象銘柄を決めます。

株式を大量に集められるため、株価が安い「ボロ株」や「低位株」が仕手株のターゲットにされやすいです。

他の投資家たちに気づかれないよう、数ヶ月かけて少しずつ少しずつ株を買い集めます。

この一連の流れを「玉集め(ぎょくあつめ)」といいます。

大量の買い注文を出して一気に株価を引き上げる(玉転がし)

株式を買い集めた仕手筋は、次に大量の買い注文を出します。

一気に買い注文を出すことで出来高が急上昇し、他の個人投資家から注目されるのが狙いです。

個人投資家がその銘柄を注文しはじめると、仕手筋は少しずつ株の売却をはじめ、株の需要と供給を安定させます。

需給を安定させるために少しずつ売却する株を冷やし玉(ひやしぎょく)といいます。過熱した相場を冷やすために出す売り注文の株(売り玉)のことです。

加熱した相場に少しずつ売り玉(冷やし玉)を入れることで相場は安定して、個人投資家はその銘柄が買いやすくなり、さらなる株価の上昇が狙えるようになります。

この一連の流れを玉転がし(ぎょくころがし)といいます。

高値で売り抜ける(ふるい落とし)

出来高が伴って上昇する銘柄は、個人投資家も安心して買いに走ります。

個人投資家による買い注文でさらに株価が上昇した時、仕手筋は仕込んでおいた株を一気に売って、利益を確定させます。

仕手筋が大量に株式を売ったため株価は急落。

この一連の流れによって仕手株は作られます。

仕手株の特徴

仕手株のターゲットにされやすい銘柄には、共通した特徴があります。

特徴を知っておくことで、仕手株を判別するのに役立つでしょう。

株価が安い(低位株・ボロ株)

株価が安い銘柄は、仕手株化しやすいです。

少ない資金でもたくさんの株を買い集められる。元々の株価が安いため、上昇の余地が大きいなどの理由があります。

そのため、株価が安い銘柄を指す「ボロ株」や「低位株」が急騰ランキング上位に出現した時は、注意をして情報収集にあたりましょう。

出来高が少ない

出来高が少ない銘柄は、仕手筋から好まれます。

そもそも取引している人が少ないため、注目されていない(誰も見ていない)状態であることが多いからです。

仕手株を仕込む際は、他の投資家に気付かれないようにする必要があります。仕手筋はなるべく安く株式を仕入れたいですからね。

そのため、多少株価が動いても誰も気付かない「出来高が少ない銘柄」は仕手株のターゲットにされやすいです。

発行株式数が少ない

発行済み株式が少ないと、買い占めがやりやすくなります。

より多くの株を集めたいと考える仕手筋にとって、買い占めが楽にできる「発行済株式が少ない銘柄」は恰好のターゲット。

発行済み株式が少ないというのは、6,000万株が1つの目安とされているようです。

仕手株の見分け方

仕手株の特徴を踏まえたうえで、具体的にどうやって仕手株を見分けたらいいのか解説します。

株価上昇ランキングに急浮上した銘柄に注意

株の情報サイトや証券会社が提供している「株価上昇ランキング」で上位に急浮上した銘柄には注意です。

値上がり率ランキング特に買われる理由がないのに株価が高騰していたら、仕手株になっている可能性があります。また仕手株の特徴に当てはまる場合、仕手株である可能性はさらに高まります。

株情報サイトや決算情報を見て「何も理由がないのに急激に株価上昇していないか?」を調べておきましょう。

過去のチャートで「理由なき急騰」を繰り返している

いちど仕手株化した銘柄は、その後も仕手株として狙われる傾向があります。

過去のチャートを見てみると、出来高の急増・理由なき急騰・急落など仕手株特有の動きを見せることがあります。

銘柄を調べる際に、仕手株にありがちな不自然なチャートになっていないか確認しておきましょう。

投資インフルエンサーが言及している銘柄かチェック

投資インフルエンサーの中には、仕手筋や宣伝役を担う人もいます。

「○○さんがおすすめの銘柄って言ってるから、自分も買おう」

という風に、影響力の強い人の発言によって買いが促されることがあります。

近年ツイッターやYoutube、会員制サロンなどを中心に、投資系インフルエンサーは増えています。

もちろん投資インフルエンサーが言及しているからといって仕手株化するとは限りませんが、特定の銘柄を何度も喧伝している場合は注意が必要です。

SNSで銘柄名を検索してみて、投資インフルエンサーや周りの反応を確認してみましょう。

仕手株のデメリット・リスク

仕手株は大儲けを狙える反面、リスクも大きい投資先です。

どのようなデメリットやリスクがあるのか確認しておきましょう。

高値掴みしてしまう可能性がある

仕手筋は株を仕込んだ後、急激に株価を上昇させます。

一般投資家の目に留まる「株価上昇ランキング」に仕手株が出てくるのは、まさにこの時です。

株価上昇ランキングに入ってくるタイミングで買うと、高値掴みしてしまう可能性があります。最悪、次のタイミングには仕手筋は売り抜けて、株価急落してしまいます。

一般投資家が仕手株に気付くタイミングは、既に株価が上限まで上がっているケースがほとんどです。

買うタイミングが適切かどうかを、売買の前によく検討しておきましょう。

いつ株価上昇するかが分からない

仕手株はいつ株価が高騰するかが分かりません。

株価上昇前の仕手株になりやすそうな銘柄を見つけて、先に仕込んでおいたとしても、株価をいつ上げるかは仕手筋次第です。

仕手株の確証があるならまだマシですが、本当に仕手株かどうかわからない状態で持ち続けると資金効率が悪くなります。

好きな時に売買できない

仕手株は特別な理由もなく暴騰や暴落を繰り返すため、通常の売買取引が成立しにくくなります。

仕手筋が間に入って需給をコントロールしているときは、売買が成立しますが、仕手筋が抜けると悲惨です。

特に仕手株の最終局面である「株価急落」に入ると、ホルダー全員が売り抜けようと殺到します。結果、売買が成立しなくなり、売り抜けることすら難しくなってしまいます。

仕手株のメリット・魅力

仕手株には様々なリスクがあるため、昔から「仕手株には手を出すな」と言われます。

しかし現実には、多くの人が仕手株に魅入られて投資をしています。

仕手株には「大幅な株価上昇」「短期で利益が出る」という魔性の魅力が存在するからです。

大幅な株価上昇が見込める

仕手株は株価が3倍にも10倍にも上がるため、1度の取引で莫大な利益が見込めます。

株価が安い時に買い付けておけば、仕手筋とほかの個人投資家の後押しを受けて資産を大きく増やすことができます。

仕手株の魅力1

短期間で利益が出る

仕手株は株価が急上昇したあと急落します。

ほんの数日~1ヵ月ほどで株価上昇するので、上昇する直前を狙って投資できれば、短期間での利益を狙えます。

仕手株の魅力2

仕手株で稼ぐためには?

仕手株には様々なリスクがありますが、「どうしても仕手株をやってみたい」と思う人のために、仕手株で稼ぐための情報を提供している人物やサイトを紹介します。

仕手株待ち伏せ法

投資系Youtuberの「タカニキ」は、個人投資家でも仕手株で儲ける「仕手株待ち伏せ法」というやり方を考案しています。

仕手株待ち伏せ法のポイントは以下の通り。・月足チャートを見て「材料なしで急騰」している形跡が何度もある銘柄を探す・次の急騰前に買っておいて持ち続ける

特に業績がずっと赤字で、定期的に「急騰→下落」を繰り返している銘柄は見込みがあります。

急騰したらすぐに売って、ふるい落としに巻き込まれないように注意が必要です。

仕手株について理解を深める

仕手株で利益を得るためには、仕手筋の考えや行動原理を理解する必要があります。

そんな仕手筋の動きや仕手株の研究をしているのが、中川圭介です。

中川圭介は日本の経営アドバイザー・経済アナリスト。「仕手株でしっかり儲ける投資術」という仕手株を用いた投資法の解説本も出しています。

ネットには仕手株の情報をまとめたサイトもあります。

・仕手株.コムhttps://xn–7mq578b3ie.xn–tckwe/

・仕手株まとめサイトhttps://sitekabu.net/

・恐るべき注目銘柄株情報https://kabu-sokuhou.com/

なおネットの情報にはデマも横行しているため、情報の真偽を見分けるのも大事です。

情報ソースを見たり、考えを深めたりして、自分なりに仕手株を理解するようにしましょう。

仕手株のまとめ

仕手株は株価が操縦されている可能性があり、投資初心者が手を出すのは危険です。

しかし仕手株には短期的に大きな利益を狙える魅力があります。上手く活用すれば資産を一気に増やせるのも事実。

もし仕手株を狙う場合は、情報収集を怠らないようにしておきましょう。

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円安は株価に影響する?最新のおすすめ銘柄やデメリット解説

円安は輸出企業にとって大きな追い風となります。なぜなら、海外で販売した製品を円に換算する際、より多くの利益を得られるからです。 しかし、円安の恩恵を受けるのは輸出企業だけではありません。 実は、訪日外国人観光客の増加による恩恵を受ける企業や、海外に事業展開している企業など、円安によって株価が上昇する可能性のある企業は多岐に渡ります。 この記事では、円安が株価に与える影響について、業界別にメカニズムを分かりやすく解説し、円安時に注目すべきおすすめの銘柄をご紹介します。 円安は株価に影響する? 円安だからといって、必ずしも全ての企業の株価が上がるわけではありません。 円安は、輸出企業にとって追い風となり業績向上に繋がりますが、輸入企業にとってはコスト増加になるため、株価にマイナスの影響を与える可能性が… まずは、円安が株価に与える影響について、業界別にメカニズムを解説します。 円安で株価が上がる業界 基本的に円安で株価が上がるのは、商品やサービスを輸出して稼いでいる業界です。理由は、海外で得た売上を日本円に換算する際に、より多くの円を得られるから。 1ドル100円の時→100ドルの商品は、日本円で10,000円の売上 1ドル150円の時→100ドルの商品は、15,000円の売上 このように、円安になると輸出企業は同じ商品を販売しても、日本円換算での売上高が増加し、利益も増える傾向にあるでしょう。特に、売上高に占める輸出比率の高い企業は、円安による増益効果が大きくなり、株価も上昇しやすいため注目されます。 自動車メーカー 円安のメリットを受ける代表的な業界としては、自動車メーカーが挙げられるでしょう。 2024年においても、自動車は日本が世界に誇る基幹産業であり、世界中で日本車が販売・輸出されています。円安になると、海外での販売が円換算で増収となるため、業績が向上しやすくなりますね。 例えば、自動車部品メーカー「GMB(7214)」は最大上昇率373%を達成。 半導体製造装置関連 また、世界的に需要が高まっている半導体や半導体製造装置関連の企業も、円安の恩恵を受けやすい業界です。特に日本企業は、この分野で存在感を持つ企業が多数存在。 世界中で半導体製造装置や検査装置を販売している企業は、円安になると海外での販売が円換算で増収となるため、業績が向上しやすくなります。 インバウンド関連 円安で株価が上がる業界は、輸出関連業界だけではありません。近年では、インバウンド関連も円安の恩恵を受けやすい業界として注目されています。 円安になると、外国人観光客にとって日本旅行が割安になるため、訪日観光客が増加するでしょう。観光客向けのビジネスを展開している企業(鉄道会社・ホテル・小売店など)は、業績が向上しやすい。 特に、外国人観光客に人気の高い店舗を運営している企業(百貨店・ドラッグストアなど)は、円安による増収効果が期待できます。 円安で株価が下がる業界 円安は輸出企業に有利に働く一方で、輸入企業にとっては逆風となります。なぜなら、海外から原材料や製品を輸入する際に、より多くの円を支払わなければならないからです。 1ドル100円の時→100ドルの原材料は、10,000円のコスト 1ドル150円の時→100ドルの原材料は、15,000円のコスト このように、円安になると輸入企業は仕入れコストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。特に、売上原価に占める輸入比率の高い企業は、円安による減益効果が大きくなり、株価も下落しやすいため注意が必要です。 燃料を輸入に頼っている企業(電力会社・ガス会社など)は、円安によるコスト増加の影響を受けやすい。火力発電の燃料(石油・LNGなど)は、海外からの輸入に頼っているため、円安になると燃料費が増加し収益を圧迫する可能性があります。 また、原材料を輸入に頼っている企業(食品・飲料メーカーなど)も、円安の影響を受けやすいでしょう。穀物(小麦・大豆・トウモロコシなど)や食品原料(コーヒー豆、カカオ豆など)は、海外からの輸入に頼っているため、円安になると原材料費が増加し、収益を圧迫する可能性があります。 このように、円安は輸入関連企業の業績を悪化させ、株価にも悪影響を与える可能性があるでしょう。円安の影響を受けやすい業界や企業を把握しておくことで、円安局面での投資リスクを軽減できます。 円安時のおすすめ銘柄3選 円安が、輸出企業やインバウンド関連企業に良い影響を与えることが分かりました。ここからは、円安でおすすめな銘柄を次の通り3つ紹介します。 ※2024年11月22日時点の株価情報を記載 スバル(7270) ディスコ(6146) マツキヨココカラ&カンパニー(3088) ①スバル(7270) 広島スバル - 株価:2,442円 市場:東証プライム 時価総額:17,964億円 PER:(連)6.08倍 PBR:(連)0.71倍 スバルは、独自の技術力と安全性能の高さで高いブランド力を確立していると言えるでしょう。特に北米市場では、安全性と走行性能に優れたSUVが人気を集め、2023年度の売上収益構成比を見ると、北米が7割以上を占めています。 スバル公式サイト 円安になると、海外で販売した自動車の売上を日本円に換算する際に、より多くの円を得られるでしょう。そのため、円安はスバルの業績を押し上げ、株価にも好影響を与える可能性があります。 2023年度の連結決算では、生産台数970千台(前年比11%増)、営業利益は4,682億円とともに前年を上回る実績を達成しました。 スバルは2025年までに、世界販売台数を130万台に拡大することを目標に掲げています。また、電動化にも積極的に取り組んでおり、2030年までに、グローバルで販売する車の50%を電動化する計画です。 ②ディスコ(6146) 株式会社ディスコ公式X - 株価:42,590円 市場:東証プライム 時価総額:46,160億円 PER:? PBR:(連)10.61倍 ディスコは、半導体製造装置、特に精密加工装置で世界トップシェアを誇る企業です。半導体の製造過程において、ウェハーをチップに切り分けるダイシング装置や、ウェハーを薄く削るグラインダなどを製造・販売。 特に、高精度・高品質な加工が求められる最先端半導体の製造において、ディスコの装置は高い評価を得ています。スマートフォンやパソコン、自動車など、あらゆる電子機器に搭載される半導体の製造に、ディスコの装置は欠かせません。 また、ディスコは輸出比率の高い企業で、2023年度の売上高構成比を見ると海外向けが8割以上。円安になると、海外で販売した装置の売上を日本円に換算する際に、より多くの円を得られます。 ディスコ公式サイト そのため、円安はディスコの業績を押し上げ、株価にも好影響を与える可能性があるでしょう。 また、ディスコは高い技術力と市場シェアを背景に、高い収益性を誇っています。 2023年度の連結決算では、売上高は前期比8.2%増の3,075億円、営業利益は同10.0%増の1,214億円と、増収増益を達成しました。 ③マツキヨココカラ&カンパニー(3088) マツキヨココカラ&カンパニー公式サイト - 株価:2,023円 市場:東証プライム 時価総額:8,430億円 PER:(連)15.97倍 PBR:(連)1.64倍 マツキヨココカラ&カンパニーは、ドラッグストア業界のリーディングカンパニーです。「マツモトキヨシ」や「ココカラファイン」など、全国に3,000店舗以上を展開し、幅広い商品(医薬品・化粧品・日用品・食品など)を販売。 訪日外国人観光客の増加によるインバウンド需要を取り込み、成長を続けています。円安になると、外国人観光客にとって日本旅行が割安になるため、訪日観光客が増加するでしょう。 マツキヨココカラ&カンパニーの店舗では、外国人観光客に人気の高い化粧品や健康食品、医薬品などを豊富に取り揃えています。 また、都市部や観光地など、人通りの多い場所に多くの店舗を展開しており、顧客にとってアクセスしやすい環境を提供。訪日外国人観光客の増加は、売上増加に直結しやすいと言えるでしょう。 さらに、多くの店舗で、多言語(英語・中国語・韓国語など)に対応したスタッフを配置し、外国人観光客の購買をサポートしています。免税対応も充実しており、外国人観光客にとって快適な買い物環境を提供していると言えるでしょう。 マツキヨココカラ&カンパニー公式サイト 2023年度のマツキヨココカラ&カンパニーは、売上高10,225億円(前期比7.5%増)、営業利益757億円(前期比21.6%増)と増収増益を達成しています。 円安時のメリット・デメリット ここまでは、円安時に株価上昇が期待できる業界と、個別銘柄について説明してきました。 しかし、円安は良いことばかりでなく、経済や株価に悪い影響を与えることもあり、両方の影響を理解して、投資を行うことが重要です。 メリット 円安のメリットは、既に説明した通り、輸出企業の業績向上と外国人観光客の増加によるインバウンド需要が挙げられます。しかし、それだけではありません。 ここでは、円安がもたらす様々なメリットについて詳しく解説していきます。 割安度が増して日本株の魅力が向上 円安になると、海外投資家から見て日本株が割安になり、投資が増加する可能性があります。これは、同じ金額の外貨で、より多く購入できる為です。 海外投資家からの資金流入は、株価全体を押し上げる効果も期待できます。 また、個々の銘柄に注目した場合でも、割安株に投資することで、将来的に株価が上昇した際に大きな利益を得られる可能性があるでしょう。 海外投資の促進 円安になると、海外企業の買収や投資が活発となり、投資を日本に呼び込む効果も期待できます。 株式投資だけでなく、日本でのビジネスコストが下がるため、海外から日本の土地購入や工場建設など、実物資産への投資も促進されるでしょう。 経済活性化 円安は、輸出や訪日外国人観光客の増加を通じて、国内の生産・消費活動を活発化させ、経済成長を促進する効果が期待できます。 輸出が増加すると、企業の生産活動が活発化し、雇用創出にも繋がるでしょう。 また、訪日外国人観光客が増加すると、観光業や飲食業・小売業など、多くの業界で業績が向上し、経済全体に好影響を与えます。 デメリット 円安は輸出企業に有利に働く一方で、経済全体や私たちの生活にはデメリットも生じます。 特に、輸入物価の上昇によるインフレは、家計への負担が大きいため注意が必要です。 輸入物価の上昇によるインフレ 日本は、食料やエネルギー資源の多くを輸入に頼っています。円安になると、これら輸入品の価格が上昇し、企業のコスト増加に繋がるでしょう。 企業はコスト増を商品価格に転嫁するため、消費者はあらゆる商品の値上がりを実感することになります。食料品や日用品といった生活必需品の価格上昇は、家計を圧迫し、消費意欲の減退を招く可能性があります。 海外生産拠点の維持を困難にする 海外に工場や拠点を置く企業にとって、円安は現地での人件費や運営コストの上昇を意味します。コスト増に対応できなければ、収益悪化や事業縮小に追い込まれる可能性も出てくるでしょう。 海外への移動コストが上昇する 航空券や宿泊費などが割高になるため、円安によって海外旅行や出張が贅沢品になってしまう可能性もあります。 また、企業にとっては、海外との取引や従業員の海外派遣に掛かる費用が増加し、国際的なビジネス活動に影響が出る可能性があるでしょう。 円安時の注意点 円安は輸出企業の業績向上など、経済にプラスの影響を与えることもありますが、注意すべき点も存在します。 インフレを招く可能性がある 輸入品の価格が上昇し、企業のコスト増に繋がります。このコスト増は最終的に商品やサービスの価格に転嫁され、物価全体が上昇する可能性があるでしょう。 また、インフレ抑制のために金利が上昇する可能性もあり、住宅ローンや企業の借入コスト増加に繋がることも考えられます。 為替の予想は非常に困難 様々な要因が複雑に絡み合い、為替相場は常に変動しています。専門家でも正確な予測は難しく、短期的な変動を捉えることはさらに困難です。 円安がいつまで続くのか、あるいは今後円高に転じるのか、確実なことは誰にも言えません。 為替相場は株価に織り込まれている可能性が高い 株式市場は常に将来を見据えて動いており、現在の円安傾向は既に株価に反映されていると考えられます。そのため、円安だからといって安易に投資するのは危険。 重要なのは、今後の為替の動向、そしてそれが企業業績にどう影響するかを分析し、将来を見据えた投資判断を行うことです。