割安株(バリュー株)とは?探し方やおすすめ銘柄を解説
割安株とは、市場で本来の価値よりも安く取引されている株式のこと。将来の成長性や収益力に対して、株価が過小評価されているため、投資妙味が高いとされています。
PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)といった指標を参考にしながら、企業の財務状況や将来性を分析することで、有望な割安株を発掘可能。
本記事では、割安株の基本的な知識から探し方、そして具体的なおすすめ銘柄まで、分かりやすく解説していきます。割安株投資に興味のある方は、ぜひ参考にしてください。
割安株(バリュー株)とは?
株式投資の世界では様々な投資戦略が存在しますが、その中でも「割安株投資」は、堅実かつ長期的な資産形成を目指す投資家から根強い人気を誇る戦略の一つです。
企業価値は、将来の収益力や保有資産、ブランド力など様々な要素から評価されますが、市場動向や投資家の心理によって、株価が一時的に本来の価値を下回ってしまう事があります。このような状況にある株を、市場から割安と判断された株、つまり「割安株」と呼ぶのです。
割安株の特徴としては、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの指標が市場平均よりも低いことが挙げられます。
PERは株価が1株当たり利益の何倍になっているかを示す指標で、PBRは株価が1株当たり純資産の何倍になっているかを示す指標です。これらの指標が低いということは、その企業の株価が、利益や資産に対して割安に評価されていることを意味します。
また、割安株は成熟した業界の大企業や、一時的に業績が低迷している企業に多く見られます。これらの企業は、すでに安定した事業基盤を築いている、あるいは将来の業績回復が見込まれるにも関わらず、市場から過小評価されている可能性を秘めているのです。
割安株と成長株の違い
一方、割安株とは対照的な存在として、「成長株(グロース株)」があります。高い成長率が期待できる企業の株式で、将来の収益拡大が見込まれることから、PERやPBRなどの指標が市場平均よりも高い傾向に。
近年では、IT関連企業やバイオテクノロジー企業など、革新的な技術やサービスを持つ企業が成長株として注目されています。
成長株は、株価が短期間で大きく上昇する可能性を秘めている一方、業績が期待通りに伸びなかった場合は急落するリスクも抱えています。
これに対して割安株は、株価の変動が比較的穏やかで、配当金や株主優待などのインカムゲインも期待できるため、リスクを抑えた投資をしたい投資家に向いていると言えるでしょう。
割安株と成長株は、それぞれ異なる特徴を持つため、どちらが良い悪いという事ではありません。投資スタイルやリスク許容度に合わせて、適切な銘柄を選ぶ事が重要です。
成長株(グロース株)の詳細は下記をご覧ください。
割安株(バリュー株)の探し方
割安株に投資する魅力を感じたものの、具体的にどうやって探せばいいのか疑問に思う方もいる事でしょう。
割安株を見つけるための方法は、いくつか存在しますので、代表的な探し方とそのポイントを紹介します。
株価指標をチェック
割安株を探す上で、欠かせないのが株価指標。特に重要なのは、「PER」と「PBR」の2つです。
PER(株価収益率)とは、株価が1株当たり利益の何倍になっているかを示す指標。PERが低いほど、株価は割安と判断できます。
PBR(株価純資産倍率)とは、株価が1株当たり純資産の何倍になっているかを示す指標。PBRが1倍を下回ると、その企業は解散した場合に保有資産を株主に分配してもお釣りがくる計算になり、割安度が高いと判断できます。
同じ業種の企業や市場全体の平均値と比較し、客観的に割安度を判断することが重要です。
企業の業績や将来性を分析
株価指標が割安なだけで、投資する企業を選定してはいけません。企業業績や将来性も分析しましょう。
- 過去の業績を確認まずは、過去の業績を確認します。売上高や利益推移をチェックし、安定成長しているか、あるいは一時的な要因で業績が低迷しているのかを見極めましょう。
- 企業の将来性を分析また、企業の将来性も重要です。企業の事業計画や業界の動向を調べ、今後の成長が見込めるか、競争優位性を維持できるかなどを分析しましょう。 例えば、一時的な不祥事や市場の悪材料によって株価が下落しているものの、優れたビジネスモデルや競争力を持つ企業は、割安株として魅力的です。
株主還元策をチェック
配当金や株主優待などの株主還元策も重要なポイントです。
高配当利回りや魅力的な株主優待を提供している企業は、長期的な投資に適した割安株といえるでしょう。
安定した配当収入を得ながら、株価上昇によるキャピタルゲインも期待できます。
アナリストレポートや投資情報サイトを活用
証券会社や投資情報サイトが提供するアナリストレポートや企業分析レポートは、割安株を探す上で貴重な情報源。
専門家の視点から見た企業の評価や将来展望を知ることで、投資判断の精度を高められます。
銘柄スクリーニングを活用
多くの証券会社では、PERやPBRなどの条件を指定して銘柄を絞り込むスクリーニング機能を提供。
この機能を活用することで、効率的に割安株候補を見つけられます。
割安株(バリュー株)のおすすめ銘柄
ここからは、割安株のおすすめ銘柄を紹介します。
株価指標が割安で、これからの業績向上と水準訂正が期待できる3銘柄をピックアップしました。
①住友商事(8053)
住友商事 - 株価:3,354円
- 市場:東証プライム
- 時価総額:41,044億円
- PER:7.7倍
- PBR:0.94倍
(2024年12月11日時点)
総合商社である住友商事は、金属やエネルギー、食料など幅広い事業をグローバルに展開。近年では、脱炭素化やデジタル化といった社会の変化を捉え、新たなビジネスモデルの構築にも積極的に取り組んでいます。
2020年には著名投資家であるウォーレン・バフェット氏が住友商事を含めた複数の日本の商社に投資したことが話題となり、商社株全体に注目が集まりました。
しかし、PERやPBRといった指標で見ると、住友商事は依然として割安な水準にあります。他の大手商社と比較しても、PERとPBRともに低く、割安感が際立っていると言えるでしょう。
一方で、配当利回りは3.84%と高い水準にあり、株主還元にも積極的な姿勢を見せています。長期的な視点で安定的な収益と配当収入を狙う投資家にとって、魅力的な割安株といえるでしょう。
②三菱UFJ銀行(8306)
三菱UFJ銀行 - 株価:1,867円
- 市場:東証プライム
- 時価総額:225,304億円
- PER:12.4倍
- PBR:1.06倍
(2024年12月11日時点)
三菱UFJ銀行は、国内預金残高No.1を誇るメガバンクです。長らく日本はゼロ金利政策が続いて来たため、銀行株は割安に放置されてきました。
しかし、近年では金融政策の正常化に向けた動きが見られ、金利上昇による収益拡大への期待が高まっています。今後、金利が上昇すれば、三菱UFJ銀行の収益は改善し、株価は更なる水準訂正と見直し買いが期待されます。
また、配当利回りも3.21%と高く、株主還元にも積極的です。長引く低金利時代においても、堅調な業績を維持してきた実績があり、今後の金利上昇局面においても、安定した収益と配当収入が見込めるでしょう。
③NTT(9432)
wikipedia - 株価:156.3円
- 市場:東証プライム
- 時価総額:141,530億円
- PER:11.8倍
- PBR:1.3倍
(2024年12月11日時点)
NTTは、日本を代表する通信会社です。固定電話や携帯電話、インターネットなど、幅広い通信サービスを提供しており、生活に欠かせないインフラを支えています。
近年では、5GやIoTといった次世代通信技術の開発にも力を入れており、引き続き安定的な成長に期待可能で、安定した収益基盤と3.33%の高い配当利回りが魅力です。
また、NTTは株主優待制度も充実しており、株式の保有期間に応じてdポイントが付与されます。dポイントの利用可能店舗は全国に広がっており、投資家にとって嬉しい特典といえるでしょう。
堅実な経営と高い株主還元を重視する投資家にとって、NTTは魅力的な割安株の一つといえるでしょう。
割安株(バリュー株)のメリット・デメリット
割安株投資を成功させるためには、メリットとデメリットをよく理解することが重要。割安株は市場で過小評価されているため、将来的に株価が上昇する可能性を秘めています。
しかし、注意すべきデメリットも存在。割安株は株価が本来の価値に近づくまでに時間が掛かる能性があり、業績悪化のリスクも抱えています。
また、PERやPBRなどの指標が低くても、必ずしも良い投資対象とは限らない点にも注意が必要です。割安株投資の、メリットとデメリットをそれぞれ詳しく解説します。
メリット5選
割安株への投資は、数多くのメリットをもたらします。堅実な資産形成を目指す投資家にとって、割安株は魅力的な選択肢となり得るでしょう。
主なメリットは以下の点が挙げられます。
株価上昇によるキャピタルゲイン割安株は、市場で過小評価されているため、本来の価値に近づくにつれて株価が上昇する可能性があります。企業の業績回復や市場の注目度が高まることによって、割安株は本来の価値を反映した価格へと修正され、投資家はキャピタルゲイン(値上がり益)を得られます。
配当金によるインカムゲイン割安株は、成熟企業や大型株に多く見られるため、安定した配当収入を得られる可能性が高いです。配当金は企業の利益を株主に還元するものであり、継続的な収入源として期待。特に、高配当利回りの割安株に投資することで、インカムゲイン(配当収入)を重視した安定的な投資戦略を構築できます。
株主優待による特典企業によっては、株主に対して自社製品やサービスの割引券、ギフト券などの株主優待を提供しています。割安株の中には、魅力的な株主優待制度を設けている企業も多く存在。株主優待を活用することで、投資による経済的なメリットを享受できるだけでなく、企業への愛着を高めることも期待できます。
リスクを抑えた投資が可能割安株は、成長株に比べて株価の変動リスクが比較的低い傾向にあります。これは、割安株はすでに市場で低い評価を受けているため、株価が大きく下落する可能性が低いからです。また、割安株は企業の財務状況や業績が安定しているケースが多いため、倒産リスクも低く、リスクを抑えた投資をしたいと考えている投資家に向いています。
長期投資と相性が良い割安株への投資は、短期的な利益を狙うのではなく、長期的な視点で保有することで真価を発揮。企業の価値が市場に認められるまでには時間を要する場合もありますが、長期的に保有することで株価上昇によるキャピタルゲインや配当金によるインカムゲインを享受できる可能性が高まります。
デメリット5選
割安株への投資は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。投資を検討する際は、これらのデメリットを理解した上で、慎重に判断することが重要です。
株価上昇までに時間が掛かる可能性割安株は、市場で過小評価されている状態のため、株価が本来の価値に近づくまでには時間が掛かる可能性があります。企業の業績回復や市場の認識が変わるまで、株価は低迷し続けるかもしれません。そのため、短期的な利益を求める投資家にとっては、割安株投資は不向きでしょう。辛抱強く長期保有する覚悟が必要です。
業績悪化のリスク割安株の中には、一時的な要因で業績が低迷している企業も含まれます。しかし、その低迷が一時的なものではなく、構造的な問題や経営不振によるものである場合は、業績がさらに悪化し株価が下落するリスクが…。投資する際は、企業の財務状況や業績を慎重に分析し、将来性を見極める必要があります。
割安の罠バリュー株へ投資を行った時に、いつまで経っても水準訂正が起こらず割安のまま放置され続けることや、さらに下落していく事もあり、これを割安の罠と言います。PERやPBRなどの指標が低いからといって、必ずしも良い投資対象とは限りません。企業の業績悪化や将来性に対する不安など、株価が低迷する明確な理由がある場合は、指標がいくら割安でも投資は避けるべき。このような「割安の罠」に陥らないためには、株価指標だけでなく、企業の事業内容や競争環境、業界動向などを総合的に判断することが重要です。
流動性リスク割安株の中には、投資家に注目されていないため市場での取引量が少ない銘柄も存在。このような銘柄は、流動性リスクが高く、希望するタイミングで売却できない可能性があります。特に、大口の株式を保有している場合は、売却時に株価が大きく下落するリスクも…。投資する際は、日々の取引量や出来高などを確認し、流動性リスクを把握しておく必要があります。
成長性の低さ割安株は、成熟企業や大型株に多く見られるため、成長性の低い企業が多い傾向にあります。すでに安定した事業基盤を築いている企業は、今後大きな成長が見込めない可能性が…。そのため、高い成長性や将来性を期待する投資家にとっては、割安株は物足りないと感じるかもしれません。
割安株への投資は、これらのデメリットを理解した上で、慎重に判断する必要があります。リスクを抑えた投資をしたいと考えている投資家にとっては魅力的な選択肢となりますが、必ずしもすべての投資家に適しているわけではありません。
自分自身の投資スタイルやリスク許容度を考慮し、メリットとデメリットを比較検討した上で、投資判断を行うようにしましょう。
FAQ
シャトレーゼの株主優待はありますか?
株主優待はありません。
株主優待は非課税ですか?
基本的に株主優待は、企業から商品や金券などの収益を得ていることから所得とみなされ、税金がかかることになります。 国税庁によれば、雑所得の合計が
シャトレーゼの株主優待はありますか?
株主優待はありません。
フリーズしたりコンセントが抜けたりして、取引の途中で画面が消えてしまったら?
フリーズしたりコンセントが抜けたりして、 取引の途中で画面が消えてしまったら? 画面を立ち上げ直し、取引状況を確認しましょう。 パソコンのトラブル
10万円以下の有名企業は?
また各銘柄ごとに、株主優待をもらうのに必要な株数が決まっているので、注意が必要です。 ほとんどの銘柄は100株以上購入する事で株主優待がもらえ
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