アメリカ銀行株のおすすめ銘柄 高配当ランキングを紹介
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アメリカ銀行株の特徴やおすすめ銘柄を紹介。高配当のアメリカ銀行株ランキングを一覧で確認して、金利上昇局面で今後に期待できる銘柄を調査しました。
アメリカ 銀行 株について
アメリカ銀行株が投資家から注目を集める理由
アメリカ銀行株は米国のダイナミックな経済政策の影響を強く受けます。
金利が上昇すれば銀行の収益は拡大して業績に反映されます。銀行の好業績を期待した投資家は、銀行株を買い集めて値上がり益を狙います。
2022年の米国金利は増加傾向。それに伴いアメリカ銀行株に注目している投資家たちが見受けられます。
またアメリカ銀行株には高配当銘柄が多いのも魅力のひとつ。
本記事ではそんなアメリカ銀行株の特徴や高配当銘柄ランキングを紹介。本命株や出遅れ株のおすすめを厳選したうえで、アメリカ銀行株の今後の見通しを確認していきます。
アメリカ銀行株の特徴
アメリカ銀行株の特徴は2つ。
①米国の金利政策の影響をダイレクトに受ける ②高配当銘柄が多い
①米国の金利政策の影響をダイレクトに受ける
アメリカ銀行株は米政府やFRBの金融政策の影響を強く受けます。
金融政策の中でも「金利」に関する政策は銀行の業績とも直結しています。長期金利が上がれば米銀行にとっては長期で追い風になり、金利低下なら向かい風になります。
2022年の米国長期金利は上がる見通しが立っているため、銀行株にとってはプラスに働きます。
銀行にとってポジティブな政策なら株価上昇に期待が持てますが、良くも悪くも金融政策に振り回される可能性があるという特徴を知っておきましょう。
②高配当銘柄が多い
アメリカ銀行株には高配当銘柄が多いです。
高配当銘柄が多い理由は、アメリカ銀行株には株主還元を考える企業が多いから。
もともと米国では日本よりもモノ言う投資家が多く、株主還元を強く求められる環境があります。
銀行はアップルのような新製品の研究開発費用は不要。また半導体企業のように常に多額の設備投資が必要なわけでもありません。
そのため会社が得た利益を再投資に回すよりも、“配当”という形で株主に還元する銀行が多い傾向にあります。
アメリカ銀行株の高配当ランキング
アメリカ銀行株の高配当ランキングは、配当利回りを調べられる「Dividend.com」で確認できます。
▼アメリカ銀行株 高配当ランキングTOP5
ティッカー | 銘柄名 | 配当利回り | 時価総額 | 権利日 |
---|---|---|---|---|
TFSL | TFSファイナンシャル | 7.64% | 42.6億ドル | 2022/9/7 |
NYCB | ニューヨーク・コミュニティ・バンコープ | 6.56% | 50.1億ドル | 2022/11/4 |
UMPQ | アンプクア・ホールディングス | 4.58% | 41.3億ドル | 2022/11/1 |
HBAN | ハンティントン・バンクシェアーズ | 4.52% | 200.3億ドル | 2022/9/16 |
CPF | セントラルパシフィック・ファイナンシャル | 4.50% | 6.5億ドル | 2022/8/30 |
■アメリカ銀行株の配当傾向
アメリカの銀行株は景気の影響を強く受けるため、連続増配ランキングの上位にくるような銘柄は見当たりません。
経済と業績の動向によって配当額は増減する傾向にあります。
アメリカ銀行株のおすすめ本命株
アメリカ銀行株の本命は5銘柄。
・バンク・オブ・アメリカ(BAC) ・バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK) ・USバンコープ(USB) ・PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC) ・シグネチャー・バンク(SBNY)
アメリカの株式市場には300以上の銀行・金融サービス関連の企業が上場しています。
本命として名前が挙がるのは「ブランド力がある企業」や「米国民に根付いた企業」です。
バンク・オブ・アメリカ(BAC)
・株価36.25ドル ※2022年8月15日終値 ・時価総額2912億ドル
バンク・オブ・アメリカは、アメリカ銀行界3強の一角です。銀行業・投資・資産運用・財務やリスク管理サービスなどを提供しています。
通称バンカメ。
バンク・オブ・アメリカの将来性 ①2022年米国の利上げにより金利収入増大→業績大幅アップ ②バンク・オブ・アメリカの売上9割が米国内であること
FRBによる利上げはバンク・オブ・アメリカにとっては追い風です。バンク・オブ・アメリカの顧客の9割近くが米国内に存在します。
米国の金利上昇による融資先から得られる金利収入増が今後も見込めます。利上げが一段と進む今後にも期待が持てるでしょう。
またバンク・オブ・アメリカは株主還元にも積極的です。
自社株買いを進めており、2022年6月には四半期配当の増配の検討も発表しています。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)
・株価44.71ドル ※2022年8月15日終値 ・時価総額361億ドル
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンはアメリカ建国の父の一人、アレクサンダー・ハミルトンが創業したバンク・オブ・ニューヨークを母体に持つ銀行です。
世界35か国で投資サービス、証券・資産管理事業を展開しています。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの将来性 ①米国の利上げにより純金利収入が大幅アップ ②2021年に落ち込んでいた手数料収入の堅調な増加
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンは、バンク・オブ・アメリカと同様にFRBによる利上げの恩恵を受けます。
2021年に落ち込んだ本業収入は改善の兆し。
バンク・オブ・ニューヨーク・メロンの主軸事業である証券取引などの投資サービス手数料収入が伸びました。
利上げ効果による追い風が本格化することもあり、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンにも期待が持てます。
USバンコープ(USB)
・株価49.08ドル ※2022年8月15日終値 ・時価総額729億ドル
USバンコープは全米4位の金融持ち株会社です。その傘下には商業銀行US BANKがあります。
世界35か国で投資サービス、証券・資産管理事業を展開。ウォーレン・バフェット率いるバークシャー・ハサウェイが筆頭株主に名を連ねています。
USバンコープの将来性 ①21年9月に買収したユニオンバンクのリテール部門の業績が寄与開始 ②収益性の高さ
USバンコープは2021年9月に三菱フィナンシャルグループの子会社である米銀行ユニオンバンクのリテール部門の買収を発表。22年上半期に買収が完了する見込みとなっています。
ユニオンバンクは米西海岸を地盤にする銀行で、この買収により子会社US BANKのカリフォルニア州での預金残高順位は10位から5位に上昇して顧客基盤が拡大します。
カリフォルニア州のGDPは世界5位の規模があります。規模拡大とブランド力向上により、USバンコープの収益拡大に期待が持てるでしょう。
またUSバンコープは同業他社であるシティグループと比較して収益性が高いのも特徴です。
USバンコープ:純利益率33.3%(21年12月期) シティグループ:純利益率23.1%(21年12月期)
PNCファイナンシャル・サービシズ・グループ(PNC)
・株価173.93ドル ※2022年8月15日終値 ・時価総額713億ドル
PNCファイナンシャル・サービシズ・グループは、リテールと法人向けに金融サービス、資産運用事業を展開する金融持ち株会社です。
スペインの金融大手BBVAから米国銀行事業を譲り受け、商業銀行分野で全米上位にいます。
PNCファイナンシャル・サービシズ・グループの将来性 ①安定した成長性 ②直近決算好調
PNCファイナンシャル・サービシズ・グループの業績は安定した成長を続けています。
コロナ禍の影響が出た2020年の売上高は落ちましたが、それ以外は成長を継続。
米国会社四季報2022春夏号によると、PNCファイナンシャル・サービシズ・グループは22~23年も成長の見通しが予想されています。
2022年7月15日に発表された22年12月期2Q決算も好調。
22年4-6月期の業績は同1-3月期よりも売上+9.6%、純利益+35.6%、EPS+39.5%と高い成長を実現しています。
シグネチャー・バンク(SBNY)
・株価204.74ドル ※2022年8月15日終値 ・時価総額128億ドル
シグネチャー・バンクは、ニューヨーク地盤の商業銀行です。
法人・個人向けに金融サービス、ウェルスマネジメント事業を展開しています。主な顧客は未公開企業や経営者、役員です。
シグネチャー・バンクの将来性 ①ウェルスマネジメント市場の拡大 ②業績拡大予想
シグネチャー・バンクは富裕層向けの資産管理(ウェルスマネジメント)に力を入れている会社です。
米コンサル会社「AiteGroup」のレポートによると、ウェルスマネジメント市場は2020年から2025年にかけて、15兆ドルの拡大が見込まれています。
相場が不安定な昨今の経済事情や世界情勢のさなか、自身の資産を守ろうとする富裕層たちの動きが活発化する動きが予想されます。
富裕層向けの資産管理サービスを提供するシグネチャー・バンクの顧客は拡大していくでしょう。
シグネチャーバンクの業績は成長傾向にあります。
売上高は毎期25%以上、純利益は毎期30%以上の高い成長が見込まれています。
以上、アメリカ銀行株の本命株5選でした。
米国の金利上げという追い風が吹いている2022年現在、アメリカ銀行株に注目をしている投資家は多いです。
ただ注目を集めているということは、すでに株価織り込み済みである場合もあるので要注意。
アメリカ銀行株のおすすめ出遅れ株
アメリカ銀行株の出遅れ株は「シチズンズ・ファイナンシャル・グループ(CFG)」です。
「M&Aに積極的」「業績拡大予想が堅調」などの好条件が揃っている企業ですが、株価はようやく底を打ったばかりの状況。
今後の本格的な株価上昇が予期されます。
シチズンズ・ファイナンシャル・グループ(CFG)
・株価40.09ドル ※2022年8月16日終値 ・時価総額198億ドル
シチズンズ・ファイナンシャル・グループは、ニューイングランドや中部大西洋岸地域などを地盤に、個人・機関投資家・企業に対してリテールや商業銀行商品、金融サービスを展開しています。
英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドの子会社です。
シチズンズ・ファイナンシャル・グループの将来性 ①同業の買収による規模の拡大(M&A) ②業績が堅調に拡大
シチズンズ・ファイナンシャル・グループは2021年に2件の企業・事業買収を行っています。
買収の事務手続きは22年には完了。今後の売上・利益増に貢献することになるでしょう。
金融の世界は巨大資本をもった企業が強いとされています。潤沢な資本があれば収益力の向上やブランドの構築などにも役立つからです。
シチズンズ・ファイナンシャル・グループは、積極的なM&Aを仕掛けて事業規模を大きくする戦略を持っています。長期的な成長戦略を実行している企業という評価を下せるでしょう。
過去5か年と今後の業績予想も堅調。
2022.12(予想):売上7,522、税引き前利益2,674、最終利益2,015 2023.12(予想):売上8,393、税引き前利益3,204、最終利益2,415 ※単位:百万ドル
コロナ禍の2020年においても売上を伸ばしています。
シチズンズ・ファイナンシャル・グループのような出遅れ株は、後々で大きな株価上昇を果たすこともあります。
他の人に先駆けて投資することで、その恩恵を受けられるでしょう。
ただ紹介している銘柄は記事作成時点のデータとなるため、あらかじめご留意ください。
アメリカ銀行株の将来性・今後の動向
アメリカ銀行株は「経済大国アメリカ」の名と共に、今後も成長を続けていくでしょう。
先進国のなかで唯一人口増加しているのがアメリカといわれています。
米国の人口は、2019年の推計で3億2,906万人、2050年には3億7,942万人まで増加するとの見通し。
人口が増えれば当然、開設される銀行口座の数は増えます。銀行口座が増えれば、取引量や額も増えてアメリカ銀行株の収益の柱である「手数料収入の増大」に繋がります。
経済成長にファイナンスの力は必要不可欠。
世界トップの経済大国アメリカの成長と共に、アメリカ銀行株の成長にも期待できるでしょう。
短期シナリオ
FRBにより利上げの恩恵を受けて純金利収入が増加。業績の好調に加え、グロース株から高配当バリュー株への投資資金の流れが継続し、財務が安定している優良銀行株には投資資金が入りやすい傾向がつづくと予想される。
中期シナリオ
FRBの利上げの効果によってインフレが収まり、今度は利下げに転じることが推測される。利下げにより、純金利収入の減少が予想されるが、金利低下によって融資件数が増加することで成長が継続されると予想される。
長期シナリオ
DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進により、人件費が抑えられてより高収益な組織への変化をしていくことが考えられる。 フィンテックによる新サービスの開発と業界再編がさらに進み、経営体力のある勝ち組の銀行の存在感がさらに増していくと予想される。
アメリカ銀行株への投資タイミング
アメリカ銀行株への投資タイミングは「逆イールドが解消された時」がチャンスです。そのタイミングで買っておけば、今後の株価上昇も見込めるでしょう。
逆イールドとは、短期金利の方が長期金利よりも高くなる現象のこと。「景気後退のサイン」と考えられています。
2022年8月24日時点の米国金利がこちら↓↓
短期金利が長期金利を上回っています。「逆イールド発生中」です。
銀行は金利差で利益を上げています。通常時だと金利2%で資金を調達し、金利3%で長期間の貸し出しをして1%の金利差を稼ぎます。
逆イールドが発生してしまうと、銀行は利益どころか赤字になってしまいます。株価にとってもマイナス材料です。
SNSでアメリカ銀行株の投資タイミングについてツイートしている人を探してみると、22年8月現在では今が買い時、まだ間に合うというようなポジティブなコメントはほとんど見られません。
タイミング的には遅いという趣旨のコメントがほとんどとなっているようです。
金利が拡大する見通しがあるうちは、アメリカ銀行株を買い控えようと考える投資家が多いのでしょう。
逆イールドが解消される時が、銀行株を買う1つのタイミングといえます。
アメリカ銀行株の見つけ方・スクリーニング方法
アメリカ銀行株を探す際は投資情報サイト「株探米国株」を利用するのが手っ取り早いです。
300以上あるアメリカ銀行株関連の銘柄を一覧で確認できます。
アメリカ銀行株関連のETF
アメリカの銀行関連銘柄に投資する方法は個別株だけではなく、ETFに投資するやり方もあります。
iシェアーズ グローバル金融ETF
iシェアーズETFは世界最大の資産運用会社ブラックロックが運用するETFブランドです。
世界を代表する1200社から金融セクター銘柄を対象にした「S&P Global 1200 Financials Sector Index」に連動するように設計されています。
<iシェアーズ グローバル金融ETFの構成銘柄> BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B (BRKB) JPMORGAN CHASE & CO (JPM) BANK OF AMERICA CORP (BAC) WELLS FARGO (WFC) ROYAL BANK OF CANADA (RY) HSBC HOLDINGS PLC (HSBA) S&P GLOBAL INC (SPGI) COMMONWEALTH BANK OF AUSTRALIA (CBA) MORGAN STANLEY (MS) AIA GROUP LTD (1299)
バンガード米国金融セクターETF
バンガード米国金融セクターETF は、金融セクターに分類される米国の大型~小型株で構築されています。
MSCI USインベスタブル・マーケット・金融25/50インデックスに連動するように設計されたETFです。
<バンガード米国金融セクターETFの構成銘柄> BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B (BRKB) BANK OF AMERICA CORP (BAC) WELLS FARGO (WFC) S&P GLOBAL INC (SPGI) MORGAN STANLEY (MS) Goldman Sachs Group Inc (GS) BlackRock Inc (BLK) Charles Schwab Corp (SCHW) Citigroup Inc (C)
iシェアーズ米国地方銀行ETF
iシェアーズ米国地方銀行ETFは米国の地方銀行銘柄にまとめて投資できるETFです。
ダウ・ジョーンズ米国セレクト地方銀行インデックスおよび利回りに連動するように設計されています。
<iシェアーズ米国地方銀行ETFの構成銘柄> PNC FINANCIAL SERVICES GROUP INC (PNC) TRUIST FINANCIAL CORP (TFC) US BANCORP (USB) M&T BANK CORP (MTB) FIRST REPUBLIC BANK (FRC) SVB FINANCIAL GROUP (SIVB) FIFTH THIRD BANCORP (FITB) REGIONS FINANCIAL CORP (RF) HUNTINGTON BANCSHARES INC (HBAN) CITIZENS FINANCIAL GROUP INC (CFG)
金融セレクトセクターSPDRファンド
金融セレクト・セクターSPDRファンドは、金融セレクト・セクター指数とほぼ同じ構成比率で、同インデックスの価格と利回りに連動するように設計されたETF。
投資管理や商業・企業向け銀行業などの金融サービス関連銘柄で構成されています。
<金融セレクト・セクターSPDRファンドの構成銘柄> BERKSHIRE HATHAWAY INC CLASS B (BRKB) JPMORGAN CHASE & CO (JPM) BANK OF AMERICA CORP (BAC) WELLS FARGO (WFC) S&P GLOBAL INC (SPGI) MORGAN STANLEY (MS) Goldman Sachs Group Inc (GS) Charles Schwab Corp (SCHW) BlackRock Inc (BLK) Citigroup Inc (C)
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